こんばんは。税理士の葵東子です。
「辞世の句」 って、ご存じでしょうか?
読んで字のごとく、この世を辞する際に残した言葉です。アマゾンで本を探していて、 なにげに見つけた本でした。お時間がございましたら、
お付き合い下さい。
購入したのは、何でも鑑定団で有名な北原照久さんの 「珠玉の日本語・辞世の句」 (PHP研究所) です。自ら、「母の言葉と恩師の言葉で私の人生は変わった」と言う北原さんが、
そのコレクター魂を発揮し、 “辞世の句コレクション”を成したと言います。
アマゾンでは・・・
その本は、その中から最も感動的なものを厳選し、あふれる思いとともに紹介した一冊である。一つ一つの句や歌のすべてから、
人間としての潔さ、熱い思い、美しい心がありありと伝わってくる。何となく生きている日常にあって、
人生に大切なものを思い出させてくれる貴重な言葉たち。著者が重視する、 「言葉のチカラ」 がそこには確かにある。
と紹介されていました。 (今、アマゾンでは中古本しか入手できないようです。)
浅野長矩、
大石内蔵助、
大高源五、
三島由紀夫、
吉田松陰等々有名で尚かつ波瀾万丈の人生を歩んだ人々の 「辞世の句」を紹介し、
これらの者の人生や時代背景を解説しています。
辞世の句を多く知る方にとっては、それほど目新しい本ではないと思いますが、 北原さん独特の解釈が丁寧に書かれて居り、
その文章の熱いこと熱いこと、彼のコレクター魂を強烈に感じました。
昔の方は、何時亡くなるか分からないため、辞世の句を常備していたとのこと。 確かに乱世の時などは、いつ戦になるか、
いつ殺されるのか分からなかったのでしょう。
ですから緊張感を持って生きることが出来、そしていつも残す言葉を考えてながら、
悔いのない人生であるかと問いかけながら我が人生を見つめていたのであろうと思います。
自らの人生に満足を感じ穏やかな思いで読まれた句、 無念な思いを綴った句など様々です。
自らの人生に満足を感じ穏やかな思いで読まれた句、 無念な思いを綴った句など様々でが、掲載されている句は、
その句を詠んだ方の心情を本当に良く描写しています。
辞世の句に興味をもったというのも、
人生は思うほど長くはなく有限であることを思うようになったからです。また、死は予告無く訪れる方が多く、
人はいつ亡くなってしまうのか分からないとも思うようになりました。
そんなことを思うようになったということは、人生の折り返し地点を通過したということでしょうか。
私も辞世の句を作ろうと思ったとき、ふと思います。
私は、どんな句を詠んだらよいのであろうか?私は、今幸せなのだろうか?苦しいのだろうか?
今私が死ぬとしたら、誰に何を言い残したいのだろうか?などと。
私には、句に詠めるほど満足できる何かがあるだろうか。無念な思いを持つほど何かに一生懸命取り組んだのであろうか。
そう我自身を振り返ってみると、まだまだ辞世の句が詠める人間になれていないような気も致します。
今日のような、長い秋の夜には、辞世の句を読んでみるには良いときのように思います。
私は、自らの辞世の句を詠むほどのものにはなっていないと思いますが、北原照久さんの「珠玉の日本語・辞世の句」
を読んで、 いろいろな方の人生の喜怒哀楽を思い、 思いを馳せることもまた私の糧になるのではないかと思います。
いくら思いを馳せたとしても、そのご自身の思いと同じになることはないと思いつつも・・・
。
本日も、ここまでお付き合い頂き、ありがとうございます。
それでは、おやすみなさい。
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