2006年12月29日

家を守るということ

 こんにちは。税理士の葵東子と申します。今年最後の題目として、「家を守るということ」 と題してお話ししたいと思います。

 年末にある家の相続に係る分割協議が整い、その場面の立ち会いをさせて頂きました。 年末が差し迫っての事でしたが、「年内中に」という奥様の強いご希望により分割協議の話し合いがもたれました。

 
 戦後、「家」という制度はなくなりましたが、奥様は現在も
しっかりとした家督としてのお考えをお持ちであり、実はそれは先代のお母様から受け継がれたお考えのようでした。
 

 奥様はおっしゃいました。「家の財産は預かりものです。一生懸命守って、 次の世代に受け継がせるものと思います。」と。


 そして、「母は、いつも私にだけ厳しく、いったいどういう母なのでしょうと思っていました。 ですが今は母に厳しくされたことにとても感謝しています。」とも。

 家を守る者というものは、一朝一夕には育てられるものではないのでしょう。奥様のお言葉の一つ一つが、 深い含蓄のある言葉と思われました。

 

 事業承継のノウハウが、いつの時代にも存在します。
 現在において花盛りなのは、株式の譲渡についてでしょうか。

 しかし、 どんなにノウハウを駆使したとしても、事業承継を受けたものが良き経営者(若しくは承継者)でないのであれば、 その会社が衰退するのは時間の問題です。
 家についても同じであり、家督として相応しい者が家を継ぐのでなければ、家は衰退することになるでしょう。
 

 事業を承継するということ、或いは家を守るということは、「平等」の相続権を無視することです。
  日本の「家督制度」が長く続いたのは、不平等な相続が当然だったからです。そうでなければ、 事業や家を守ることは大変難しいのです。

 ですから、その「平等」を無視してしかるべき人物が、事業を若しくは家を承継すべきなのです。  

 事業を承継したものは、思ったほど自由ではありません。また、他の者が想像するほど安泰でもありません。
   ただただ保守的に考え行動すれば、事業を守れる訳ではないからです。

 「防御は最大の攻撃なり。」と言われます。ビジネスにおいて、「防御」という言葉は、 あまり好感を得ない言葉なのですが、しかし「防御」すら出来ないのであれば、「前進」はもっと難しいでしょう。

 家を守ることも、またしかりであろうと私は思います。
 平成の激動の時代には、守ることすら難しい時代かもしれません。

  しかし思えば、こんな激動の時代は過去にもあった訳です。
 戦後の生き地獄を生き抜いてきた方々からすれば、この平成の時代を「激動の時代」とは呼ばないのかもしれません。 それでも、 家を守らねばならない、それが家督の務めなのです。

  奥様はおっしゃいました。
「今の方々は、良いですね。好きなことが出来る時代で。私のときはそんな我が儘は言えませんでした。」と。それは、家を守る者として、 様々な思いを封印してこられたのかもしれないと想像させられました。

 奇しくも同じセリフを、大学の先生からもお伺いしたことがありました。

 このような立派な家を受け継いでも、或いは大学の教授で、その分野の権威になられても、 それでも希望通りの人生ではなかったとお話しになられたことが、私にはとても不思議に思えました。

 人生を達観された方のお言葉なのでしょう。何となくそう感じられました。

 私にとって、教えられることが多く、また考えさせられるお話しもありました。 良いお話しをお伺い出来たと思いました。
 今年の
年末を締めくくるに相応しい仕事であったと、暖かな気持ちになりつつ、そう思いました。

 

 本日も、ここまでお付き合いくださいまして、ありがとうございます。
 それでは、おやすみなさい。

 

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2006年04月12日

特別養子縁組〜菊田医師の願い〜

 こんばんは。税理士の葵東子と申します。本日は 「特別養子縁組」 と題して、 特別養子縁組の成立の経緯についてお話しいたいと思います。 付き合い頂ければ幸いです。

 特別養子縁組とは・・・、養子と実子の父母及びその血族との親族関係が終了する縁組みをいいます。
 従って、実子の実父母への相続権も消滅します。特別養子縁組は、養親となる者の請求により、家庭裁判所の審判で成立します。

 昭和62年の民法改正で創設された制度であり、比較的新しい制度です。

 従来の養子縁組(普通養子縁組)は、実父母方との親族関係は存続することになっています。つまり、 養子となる者は、実父母と養父母の両方の相続権をもっているのです。

 特別養子縁組は、完全の実父母との親族関係が切れるという点が、画期的であり、 また創設の最大のポイントでした。

 古来から、「もらい子」は存在していました。昔は「家」制度がありましたから、 ニーズは今以上であったかもしれません。以前は、親が勝手に「実子」 と戸籍届けをすることが可能でした。 届出の誕生日もいい加減でした。それでも大したお咎めもありませんでした。

 しかしあるときから、医師の出生証明書の添付が必要になり、他人の子供を「嫡出子」 として届出することが出来なくなりました。

 子供の人権の観点からすると、当然のことでした。例え親といえど、 勝手に子供の出生を変更する権利はないのです。

 しかし、現実はすべての子供が望まれて出生するのではありませんでした。
 望まれずに生まれて来る子供もあり、あるいは犯罪の結果として生まれてくる子供もいたのです。

 それでも、子供には幸せに生きる権利があります。また反面子供を産んだ親にも、 幸せに生きる権利があります。

 無理に実親のところに子供を止めたとしても、望まれていない子供は、結局親に捨てられたり、 虐待されてしまうこともあります。

 そのような悲劇を避けて、別々生きる方が、親子にとっては幸せな場合もあるかもしれません。  

 実の親子関係を固持することが、お互いのためではない場合もある。そのような場合には養子としてではなく、 実子として「もらい子」されるのが良いのではないか・・・。

 そのように考え、行動した方が、宮城県石巻市の医師、菊田昇医師でした。
菊田医師は、虚偽の出生証明書を作成し、子供を欲しがっている夫婦に赤ちゃんを斡旋しました。

 その結果、菊田医師は医業停止となりました。菊田医師の行為は、人身売買のごとき行為と大いに非難され、 議論されました。法廷でも争いましたが、結局敗訴でした。

 しかし実質この事件が、「特別養子縁組制度の創設」の契機となりました。

 特別養子縁組は、そのように実の親子が別々に生きる道を開いた制度です。

 戸籍を見ても、養子の記載はありません。

 血液型さえ大丈夫であれば実の親子で通せる制度と思っていたのですが、実は養子という記載はありませんが、 戸籍の見方が解る人が見ればすぐ養子と解るのだそうです。。。(^_^;)

 まったく実子と区別が付かなくなることで、種々の弊害が予想された結果、そのようにしたのでしょうと、 それは何となく予想出来ますが・・・。

 今のこのインターネットが発達した時代、戸籍の見方など調べようと思えばすぐ調べられるのですから、 特別養子縁組制度は、まったくの・・・完全なる「ざる」制度かもしれません。

 恐らく制定当初は、現在のようなインターネット時代を予想していなかったのだと思います。

 菊田医師の行為は、人身売買のごときと痛切に非難されていましたが、反面子供に恵まれないご夫婦は、 有り難くあかちゃんの斡旋を受け、菊田医師にとても感謝していたと思います。

 菊田医師の願い通りの制度ではなかったかもしれませんが、 実父母及びその血族との親族関係が終了するという制度が出来たことは画期的であるといえるでしょう。

 菊田医師の信念を貫いた行為によって出来た制度であると思います。

  

 菊田医師の著書があるそうですが、まだ入手出来ておりません。もしどなたか、お持ちでしたら拝借したいと思っております。

  本日も、ここまでお付き合い下さいまして、ありがとうございます。
 それでは、おやすみなさい。

 

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2005年11月26日

中尊寺ゆつ子さんの相続

 こんばんは。税理士の葵東子と申します。本日は、「中尊寺ゆつ子さんの相続」 についてお話しいたいと思います。お付き合い頂ければ、幸いです。

 中尊寺ゆつ子さんが亡くなられましたね。「おやじギャル」で有名な漫画家です。私は、 読んでは居りませんが、「おやじギャル」という言葉はとても有名でしたね。

 中尊寺ゆつ子さんは、まだ42歳でした。お子様も未成年でいらっしゃるとのことで、 ゆつ子さんもとても心残りであったとお察し致します。

 その中尊寺ゆつ子さんの相続が揉めているとのこと。その事について、 天野先生がコメントをされていました。(こちらです

 中尊寺さんの実母と配偶者である夫との間で、調停になっているそうです。 中尊寺ゆつ子さんの法定相続人は、配偶者の夫と子供であって、お母様は相続人ではありません。
 相続人同士の調停ならば、遺産争いでしょうが、何故相続人でないお母様と相続人である夫との調停になったのでしょう。

 実際、子供が早くに亡くなってしまうと、その配偶者と被相続人の父母との間では、 とても気まずい雰囲気になることが多いようです。
 どうしてそうなってしまうのか・・・、それぞれのお気持ちが理解出来なくもないのです。今回もそのケースのようです。 亡くなった方のご両親或いは親御さんが良くないとか、亡くなった方の配偶者が良くないとか、そういう問題ではないと私は思います。 でも調停になっているとは・・・。

 中尊寺ゆつこさんの相続に係る調停は、著作権管理会社の巡る争いのようです。 著作権管理会社はまさに著作権を管理する会社です。ただ管理をするだけの会社もありますが、著作権を所有する場合もあります。 不動産管理会社と同じ類のものです。

 個人の所得が多くなってしまうと納税負担も大きいですから、 税理士などはすぐに法人設立を勧めます。法人設立をすることによって、給与所得控除を享受し、 更に他の親族に法人からの給与というかたちで、所得の分散を計り、所得税のみならず、相続対策も実現しようとします。

 天野先生は、さらっと解説していますが、しかし中尊寺さんが亡くなったのは、 今年1月です。天野先生がテーマに取り上げたのはごく最近です。つまり、恐らく「おやじギャル」 の中尊寺ゆつ子さんの相続だから取り上げたのではありません。話題の「”おやじギャル”の中尊寺さん」 ということに注目しているのであれば、亡くなってすぐに話題として取り上げたはずです。

 つまり、天野先生は、著作権管理会社を巡る紛争だから取り上げたのだと思います。 著作権は恐らく法人に帰属していたのではないでしょうか。つまり節税のための法人設立が争いの火種となったのです。
 節税のみを考えていると、こんな争いも起こるのだという事例をご紹介したのでしょうと思います。
 

 節税の手段をご紹介したり、利用できる特典を利用して差し上げるのは、 税理士の仕事とは思います。しかし、いくら節税をしてお金が残ったとしても、家族の絆や思いやりの心を亡くしてしまっては・・・ ・・それはどうなのでしょうと思うこともあります。

 節税命と言い切る税理士もいますし、 そう考えている方も少なくないと思います。 しかし本当にそれだけで良いのでしょうか。 「過ぎたるは及ばざるがごとし」という言葉が、何となく思い出されます。

 税理士の仕事は、思いの外奥が深いと考えさせられる天野先生の記事でした。 

本日も、ここまでお付き合い下さいまして、ありがとうございます。
それでは、 おやすみなさい。 
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2005年11月18日

分割協議が整わなかった時・・

 こんばんは。税理士の葵東子と申します。本日は、「分割協議が整わなかったとき・・・」 についてお話しいたいと思います。お付き合い頂ければ、幸いです。

 最近は、景気が良くないせいか、権利意識が浸透したせいか、 相続で揉めたというお話しを良く聞くように思います。
 それは、相続税を払う程度の資産がある場合に限ったことでもないように思われます。

 相続税を納める必要がある場合には、 相続に開始があったことを知った日の翌日から10か月以内に相続税の申告書を提出する必要があります。納税額がある場合には、 納税もしなければなりません。

 相続税を納める必要があるかどうかは、 財産が基礎控除額を超えているかどうかにより判断します。

 その基礎控除額とは、「5000万円+1000万円×法定相続人の数」です。

 例えば、相続人が妻と子供3人であれば、法定相続人の数は4人であり、 基礎控除額は9000万円です。

 相続人が子供3人であれば、基礎控除額は8000万円になります。

 従って、基礎控除額は、その家族構成によって異なって来ます。

 その基礎控除額を超えて財産がある時には、相続税の申告義務が生じます。 (納税額がゼロと計算されても、申告の必要があるのです。)

 申告の祭には、誰がどの財産を取得したかをまとめねばなりません。 その分割協議がまとまらないと、誰がどの財産を取得したのかが明確になりません。
 しかし、分割がまとまらないからと言って申告しなくても良い、納税しなくても良いという訳ではありません。

 分割協議が整わなかったとしても、 相続税の仮計算をして10か月以内に申告納税しなければなりません。分割協議が整わなかった時を、 「未分割」と言います。 その未分割の時には、特例の適用がないことが多いのです。 つまり未分割の場合には、多めに納税することになります。

 それでも3年以内の分割協議が整えば、種々の特例は適用して計算し直すことは出来ます。 しかし、 3年以上分割協議が整わなかった場合には、それらの適用もないことになります。 一番の節税は、 スムーズな分割であると言われるのは、このためです。

 いやな思いをしたくなくて、問題を先送りしても税法上も良いことはありません。

 相続税の納税義務がない場合には、放っておいてもさしあたって大きな問題はないと思います。 固定資産税の課税は、登記簿謄本の所有者にこだわりませんし。

 しかし、当該不動産について後日土地等を売却しようとする時や、別の相続が発生した時には、 登記簿の所有者がおじいさんなどになっていて大変困ることがあります。

 いろいろなことが積み重なると、譲れない心情になってしまうこともあるでしょうね。 しかし問題を先送りし長引かせる事は、まさしく孫子の代まで引きずってしまします。

 孫子の代のことを思うのであれば、ご自身の代で不動産の権利関係を整備してくださいませ。 そうして頂くだけで、無用なトラブルは発生せず、孫子たちは大変助かるものです。

本日も、ここまでお付き合い下さいまして、ありがとうございます。
それでは、おやすみなさい。
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2005年09月13日

相続の始まり・・・

こんばんは。税理士の葵東子です。 本日は先の 「相続の始まり・・・」と題して、相続の申告がどんな風に進められるのか、ご紹介したいと思います。 御時間がございましたら、 お付き合い下さいませ。  

 ある方がお亡くなりになり、相応の資産をお持ちの場合には、相続税の申告が必要です。 相続税の申告期限については、「相続の開始があったことを知った日から10月以内」と規定されています。

 10か月は、 長いと思われるかもしれませんが、実務的にみると、決して余裕のある期限ではないと思います。 
 そもそも、どなたかがお亡くなりになるとお葬式の手配などで大忙しであり、また保険金を請求したり、 銀行口座の名義を変更したりと、 するべきことが沢山あります。あまりの忙しさに、イライラが高じ、ケンカになってしまうほどです。

 そんな慌ただしい中で、相続の申告作業を進めることになります。
 よく相続人の方に尋ねられるのは、「相続税はいくらくらいでしょうか?」とということです。

 長い間会社の顧問税理士としてお付き合いをしていて、相続に至った場合には、 この問いにお答えするのは、そう難しくはないでしょう。
 しかし、そうでない場合には、すぐには、お答え出来ないものです。

 とても気がかりでしょうとお察し致しますが、相続税額の計算まえに、 いくつか確認しておくべき事項があります。

 つまり、相続税額の計算の前提として、@相続人の確定 A財産の確定 B財産の分割の確定 について、 確定する必要があります。 

 もう少し具体的に申し上げれば・・・・

 @相続人の確定
 相続人が誰であるのか、確認し、確定させます。つまり、隠し子などがいるかもしれません。 また行方不明の子供がいるかもしれないのです。ただ、家族が知らないだけであって、もしかしたら、そういう相続人がいるかも知れません。
 実子が2人である場合と3人である場合には、基礎控除額などが異なって来ます。また、放棄をしていないのであれば、 相続人として相続をする権利を有しています。まずは、相続人を確定しなけれななりません。

 A財産の確定
 財産の全容について、把握しなければなりません。家族が知らない財産があることもあります。また税法は、実質主義ですから、 名義に因りません。実質的に相続財産となるかどうか検討します。
 そして、これらの財産について、評価を行います。

 B財産の分割の確定
 財産の内容と金額が確定しても、その財産をだれが取得したかに因って、税額が異なってきます。配偶者がほとんど取得するのか、 子供たちがほとんど取得するのがでは、相続税額が異なってくるのです。
 だれが、どの財産を取得したかで税額が異なってくるということに、違和感を覚える方もいらっしゃるかもしれません。

 これは、財産の評価において、評価減出来る特例があるのですが、その特例の適用を受けるためには、 「一定の条件」を満たす必要があります。その場合に、財産の取得者を限定する条件が付されることもあるのです。

 つまり、評価減の適用を受ける条件を満たしているケースもありますし、そうでないケースもあります。 ですから財産の評価において、評価減出来る場合もあるし、評価減出来ない場合もあるということです。

 もっと端的に言えば、財産の分割の仕方によって、相続税額が異なってくるのです。

 

 上記の理由から、財産の全容も確定して居らず、また取得者も決まっていない段階では、 正確な相続税額を計算することが出来ないのです。

 相続のはじめの段階では、相続税額の具体的計算は出来ませんので、概算で相続税額の計算を致します。 「具体的金額については、もう少し調査・検討をした後に・・・」とお話ししますが、 相続税額をお知りたいお気持ちが十分に察せられますので、ご期待に添えず少々気まずい思いをすることもあります。 (^ー^;A

  本日も、ここまでお付き合い下さいまして、有り難うございます。
それでは、本日はこれにて・・・、おやすみなさい。

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2005年07月23日

養子に係る判例〜実質的判断について〜

こんばんは。 税理士の葵東子です。
本日は、「養子に係る判例」と題して、平成17年7月22日の最高裁判決(第二小法廷)についてお話ししたいと思います。 お付き合い頂ければ幸いです。

ほかの人から譲り受けた子どもを実子として届け出たものの、後から実子でないことが問題化した場合、 その子は親の財産を相続できるのか――。こんな「難問」に対し、最高裁第二小法廷(滝井繁男裁判長)は「遺言の解釈」 を決め手に、今回の事例に限り相続できる道を開いた。22日の判決で、二審・大阪高裁判決のうち相続を否認した部分を破棄。 審理を同高裁に差し戻した。 ( 掲載:asahi  参考:最近の主な最高裁判決)

形式的判断が多かった最高裁が、ついに実質的判断に踏み切ったと思わされる判決です。 (という程のことではないでしょうか)

遺言には、遺産のうち不動産を「法的に定められた相続人」に渡すと記されていました。 これを一、二審は「法定相続人」と解釈。実子でも養子縁組もしていない男性への相続を認めませんでした。

これに対し、最高裁第二小法廷は、遺言書の解釈について 「文言を形式的に判断するのではなく、遺言者の真意を探究するべき」とした上で、 男性と養父が実の親子のように生活してきたことなどから、「男性に遺贈する趣旨と解する余地が十分にある」と判断したのです。


個人的には、第二小法廷の判断に拍手喝采です。何故って、至って常識的と思うからです。

しかし、実質的判断によることは、その時の実態若しくは状況によって判断が違ってくることになりますから、 ケースバイケースとなります。つまり柔軟性がある反面、絶対的基準に依らないことを意味します。

税法における種々の判断は、ほぼ実質基準即ち実質的判断に依ります。
例えば、息子名義で預金をしていても、 実質的に父親がそれを管理していた場合は、それは名目的には息子の預金ですが、税法上は、 実質基準により父親の預金と判断する、 という風です。

実質基準は合理的と思いますが、しかし反面いくら形式を整えても、「それは実質的には、 そうではないでしょう」と、どこまでもそう主張される可能性があります。
その場合の立証責任は納税者側にありますから、いくら形式が整っていても、立証しきれずに、「実質主義により・・・」 と否定されることもありうるのです。

そのようなことが多くなってくると、それでは基準がないのと同じではないか、つまり 「全ては課税当局の言う実質的判断」に帰納してしまうのではないかと思うのです。
租税に係る仕事をしておりますと、実質的判断による拡大解釈や不確定概念の拡大が懸念されるのです。

租税に係るトラブルは、所詮お金に係るものです。しかし、最高裁の扱う裁判は、身分に係る裁判も多いです。 租税に係る判断基準ととそれ以外の判断基準が異なることに疑問があることはあります。

しかし身分などについては、デリケートであり判断が難しいため、 実質的判断より形式的判断の方が公平なのではないかと思うところもあります。

今回は裁判官全員一致の名裁きです。
実質的判断を採用したことは、柔軟性のある判断の可能性を示したと言えるのですが、 他方形式的判断以上に、より複雑で高度な議論へと誘われたことになるのではないかとも思えます。

つまるところ、実質的判断にも形式的判断にも、一長一短があるわけで・・・、 私たち実務家も、 都合の良いときに実質基準を持ち出しますし、都合の良くない時には、形式基準を主張するのですけれどね。。。 (^_^)v

 

それにしても、どうして「法的に定められたる相續人」という表現だったのでしょうね。 実子でないが故に、あえてこのような表現にしたのでしょうか。その気持ちも何とはなしに理解できます。

しかしもう一歩ひねくれてみると、どうして「法的に定められたる相續人 某」 と氏名が入らなかったのでしょうね。

被相続人は当然のことながら既に亡くなっており、全ては闇の中です。 真実が明らかになることはありません。

 

本日も、ここまでお付き合い下さいまして、有り難うございます。
それでは、これにて・・・おやすみさない。

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2005年06月30日

贈与税と相続税の関係 3

こんばんは。税理士の葵東子です。
本日は、「贈与税と相続税の関係 3」と題し、ちょっとしつこいと思われるかもしれませんが更に二つの税についてお話ししたいと思います。 お付き合い頂ければ幸いです。

前回は、相続時精算課税制度では、二重課税にはならない仕組みになっているとお話し致しました。

これは、実は生前贈与加算でも同じ仕組みになっています。

生前贈与加算とは・・・・相続開始前3年以内の贈与については、 相続発生時に相続財産に加算して相続税額を計算することになっています。

これもやはり、二重課税になりそうですが、「贈与税額控除」によって、 二重課税を回避しています

相続が近いと予想される時には、贈与は控えた方が良いと言われるのはこの「生前贈与加算」 のせいなのです。

 

ある方とお話ししていたときに、「近所の税理士さんに、相続の申告をお願いしたら、 二回税金を取られたと噂で聞いた。」と言うのです。

相続税の調査があって、申告漏れが見つかったケースではないかと思ったのですが、 どうやらそうではないようでした。

「贈与の時も、相続の時も税金を取られて、二回取られた」と言います。

それは、贈与税を支払って、また生前贈与加算によって相続税を支払ったという意味ではないかと思いました。

きっとそうではないかと思いましたが、その方も相続税のことは解らない方でしたし、何より他人の話ですから、 詳細を知らないようでした。

そんなあやふやなお話しをお伺いしながら・・・

その税理士の先生は、贈与税額控除のことを説明しなかったのでしょうか・・・・・

もしかして贈与税額控除を適用しなかったとか・・・??
でも贈与税額控除を適用しなかったとしても、 相続税の事を知らない普通の方は気づかないことでしょう。

となれば、やはり贈与税額控除について、納税者にわかるように説明しなかったのではないかと思いました。

恐らくは説明はしたと思います。しかし納税者が解るまで説明しなかったのでしょう。

その納税者が十分理解していないことによって、「あの税理士さんにお願いしたら、二回も税金を取られた・・・ 」と言われてしまうのですね。

どのような状況であったのか定かではないのですが、お話しをお伺いしながら、 今後は納税者の方により一生懸命説明しよう・・・と強く思いました。

きちんと仕事をしたにもかかわらず、説明が不十分であったため誤解されてしまうようなことは、不本意ですから。
一般の方の専門家への評価は、必ずしも正当ではないのですね。

 

本日も、ここまでお付き合い下さいまして、有り難うございます。
それでは、これにて・・・。

 

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2005年06月28日

贈与税と相続税の関係 2

こんばんは。税理士の葵東子です。
本日は、「贈与税と相続税の関係 2」と題し、更に二つの税についてお話ししたいと思います。お付き合い頂ければ幸いです。

前回は、贈与税と相続税は、密接不可分の関係にあり、 相続税が機能するためには、贈与税の存在が不可欠であることをお話し致しました。

ところで、相続時精算課税制度では、 贈与する金額が2500万円以下ならば、贈与税は課されませんが、2500万円を超えた場合には、 超えた部分について20%の贈与税が課されます。

その後贈与者が死亡し相続が発生した時には、 その相続時精算課税制度を利用した贈与分は、 「相続時精算課税の適用を受ける贈与財産価額」 として加算され、相続税が計算されます。
(難しくて、長い名称ですね〜(^^;))

そこで、??と思われたとしたら、あなたは鋭いお方です。
よ〜くよ〜く考えてみれば・・・・、
それは「贈与」という一つの行為に対して、その贈与時に贈与税が課され、後の相続発生時にまた相続税が課されるという仕組みになっています。 つまり贈与税と相続税が二回課税されることになるのです。

そうですか・・・やっぱり日本国は、そういう国なんですね〜。と思うのは、 こういう場面だけではないのですが、でもここではちゃんと相続税の計算の中に、この二重課税を廃除する 「相続時精算課税における贈与税の額控除」 という制度を設けて居ります。

ですから、贈与税と相続税の二重課税となることはありません。
前回に、「贈与税は相続税の前払いである」と申し上げたのは、こういう意味でした。

相続時精算課税制度を利用した時に支払った贈与税は、相続発生時に計算された相続税額と相殺されて、 「納付すべき相続税額」と計算されます。

それでは、その相続税額から控除しきれない贈与税額がある場合はどうなるのでしょうか?

つまり、 相続税額<相続時精算課税を利用した際に納付した贈与税額

の場合です。

この場合には、相続税額から控除しきれなかった贈与税額については、 相続税の申告をすることにより還付を受けることができます。つまり返して貰えます。

それも、還付加算金が付加されることになっています。 あまり還付加算金が頂戴出来ることもないかと思いますけれど。

話はそれますが、還付するときの税務署の対応は早いんです。 還付加算金が付加されるようになっては大変だからです。

でも、所得税の還付の時などは、「まだかな〜?遅いな〜」と皆さんおっしゃいますね。 ですが、膨大な量の事務処理を行っているのですから、あれでも超スピード対応なのです。 確定申告時期の署員の方はとてもお疲れの様子です。お声をかけることすら憚れることがありますね。

あらら・・・またお話しがそれてしまいました。
ですが本日は、これくらいで。(中途半端ですけれど。。)


ここまでお付き合い下さいまして、有り難うございます。
それでは、これにて・・・。

 

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2005年06月21日

贈与税と相続税の関係

こんばんは。税理士の葵東子です。
本日は、「贈与税と相続税の関係」と題し、二つの税についてお話ししたいと思います。お付き合い頂ければ幸いです。

相続時精算課税制度というものをご存じでしょうか。
相続税法の新しい制度として、平成15年から施行されています。

ご年配の方の方がご存じかもしれません。
H15年、H16年頃には相続税法の新しい制度ですから、 早期に浸透させたいという意図があったのか何度も何度も新聞等で紹介されていましたね。

税務相談の際にも、相続時精算課税制度についての質問もありました。
きちんと新聞の切り抜きをご持参になって・・・
「この制度を利用してみようと思っているのですが・・。贈与税がかからないのですよね?」
とおっしゃいます。

お話しをお伺いすると、この相続時精算課税制度を利用して、 生前に息子さんに不動産などを譲ってしまいたいとのことでした。

私は、お答え致しました。
「確かに
贈与する金額が2500万円以下ならば、贈与税はかかりません。ですが、これは相続が発生した時には、 その分加算されて相続税が計算されることになります」と。

ご相談にいらした方のお顔を見れば、?マークが頭の上を渦巻いているようでした。
「この記事には、贈与税はかからないと書いてありますが???」とおっしゃいます。

つまり、今贈与税のお話しをしているのに、どうして相続税のことを言い始めるのか?という意味のようです。

そうですよね・・・。「私の話を聞いているのか?」と言いたげでもありました。

「贈与税と相続税は、実は深い関係があるんです。密接不可分の関係なのです。

相続税を支払わないようにするには、どうすれば良いでしょうか?
それは、死亡の時に財産を持っていなければ良いですよね。
生前に全て処分すれば良いです。

でも処分すると言っても、使ってしまってはもったいないですし、ではどうするかと言えば、生前に子供や孫に贈与すれば良いのです。

もし生前に贈与することに税金がかからないなら、みんな生前に財産を贈与してしまい、誰も相続税を支払わないでしょう?!

だから贈与税があるんです。贈与税は税率が高いです。
その高い税金を支払っても生前に贈与をしたい時には、そうします。
高い税金を支払いたくないのであれば、相続発生まで財産の移転を待つことになります。

つまり、贈与は、「生前相続」なのです。

相続時精算課税制度は、「将来の相続を前倒して良い」という制度なんです。
ですから、本当に相続が発生した時には、生前の贈与を「相続時に相続したもの」とみなして相続税の計算をすることになります。」

と説明しましたが、どうも納得がいかないようです。そこで同じようなことを何度かお話しし、 「贈与税は相続税の前払いである」とか、「贈与税は相続税として精算されるべきものである」とか、 「贈与税は相続税を補完する関係にある」とか・・・あ〜でもない、こ〜でもないと説明してみました。

「どうでしょうか?」と言う私に、やっぱり良くわからないのですが、 でももうわからないと言いにくい・・という様子ではありました。とりあえずは、相続時精算課税制度とは贈与税が無税というだけの単純な制度ではない・ ・・ということだけはご理解頂けたようです。
(と私には思えました・・・・自己満足かも・・(^^;))

相続税法だけなのです。1税法に2税目が規定されているのは。
なぜ2つの税目が規定されているのか・・・。
それは、相続税だけでは相続税を徴収出来ないからであり、贈与税の存在が必要なのです。

つまり、相続税が相続税として存在するために贈与税が必要であるということは、 相続税対策として贈与が最も有効であるということなのです。

 

本日も、ここまでお付き合い下さいまして、有り難うございます。
それでは、これにて・・・。

 

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2005年05月19日

養子縁組 3 (おじいさんの場合)

こんばんは。税理士の葵東子です。本日は、また「養子縁組 3(あるご老人の場合)」について、 お話ししたいと思います。 御時間がございましたら、お付き合い下さいませ。

地域によって違うかもしれませんが、区役所や市役所等で無料の税務相談などがあると思います。それは、 当然税理士が担当して居ます。

あるとき私も、その無料相談会の担当となりました。当日は、広報に載せたとのことで、 多数の相談者が順番をお待ちになっていました。

その中に、おじいさんがいました。「次の方、どうぞ」と呼ばれたのですが、歩くのがままならないらしく、 その歩調はとてもゆっくりです。そして、ちょっとよろよろして、今にも転びそうです。杖でようやく、 転ばぬよう何とかバランスをとっている・・という感じでした。

私は、おじいさんが席につくまで、待ちました。そして、努めて明るく「こんにちは」とお声をかけました。 おじいさんからの返答はありませんでした。耳が少し遠いようです。

ようやく席につくと、「あの・・・」と話始めました。

「家には、娘が1人います。同居しているのですが、その娘は、養子なんです。・・・ その娘と折り合いが悪くて・・・・」と言うと、急に涙声になっていきました。「家、土地は私の名義ですが、 娘に相続させなければならないのでしょうか・・」そういうと、そのあとの言葉がでない様子でした。

私は、おじいさんが話すのを待ちました。しかし、おじいさんは、目を潤ませて居るだけです。そして、 手が少し震えて居ました。

「折り合いが悪い」というおじいさんの言葉と、言葉に詰まっているおじいさんの様子から、 いろいろな事が私の頭をよぎりました。虐待・・痴呆・・・廃除・・・遺言・・

私は、おじいさんに言いました。「おじいさん・・、養子縁組は離縁することも出来るんですよ。でもね、 今日は税務相談の日なんです。おじいさんのお話しは、私ではなくて、他の先生にお話を聞いて貰った方が良いと思いますね。」

そして、相談会の担当者の方をお呼びして、その担当者の方におじいさんのお話を聞いて貰うことにしました。

その後、すぐ別の相談者の話しを聞いていた私ですが、相談会の担当者は、 どうやらおじいさんに法律相談日をお教えしていたようでした。

私でも少しは、おじいさんのご相談にお答え出来るとは思いました。が、 内容によってはもう少し専門的な知識が必要かもしれない、とも思いました。やはりここは、 中途半端な意見や対応は控えるべきと判断致しました。

その後、おじいさんはもう一度相談に来たのでしょうか?問題は解決したのでしょうか? 確認する術もないのですが、今も気になっています。

 

ここまでお付き合い下さいまして、有り難うございます。
それでは、本日はこれにて・・・おやすみさない。

※このお話しは、フィクションであり、実話ではありません。

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2005年05月18日

適正な申告 3

こんばんは。税理士の葵東子です。
本日は、「適正な申告 2」と題して、相続の場合についてお話をしたいと思います。お付き合い頂ければ幸いです。


相続税の場合になると、「適正な申告」
とは、「納税額が最小となる申告」ではありませんね。

相続税の申告の前に、まず遺産分割協議が行われます。同時進行の場合も多いですが、同時進行と言っても、 遺産分割の内容いかんによって納税額が異なってきますから、まずは遺産分割協議が優先なのです。

その遺産分割協議の際に、最も納税額が少なくなる分割案を提案しても、その分割案に各相続人が同意しない場合には、 その分割案は実現しません。そして当然別の分割案が採用されることとなり、納税額は最小ではなくなります。

つまり、相続税の申告においては、各相続人に同意して貰えるような内容でなければならず、それは必ずしも 「納税額が最小となる」遺産分割ではないのです。いえ、むしろ「納税額が最小となる分割」 でない場合の方が多いのではないかと思います。

納税額が最小でない申告書を例にとって、これは税理士の力不足によるもの、と評されることがありますが、それは正確な評価ではありません。

税理士が遺産分割案を提案する際のポイントは、だいたい下記の通りです。

1 納税額が少ない分割であるかどうか

2 分割後、資産の運用や事業承継に支障がないかどうか

3 各相続人の同意が得られるかどうか

4 第二次相続の際のことを考慮するかどうか

5 各種特例を十分享受できる分割であるかどうか

もちろん、これ以外にも重視されることはあると思います。まさに相続は、ケースバイケースの宝庫といえます。

そういった個別要素を考慮して、税理士の方から遺産分割案を提案することがありますが、 あくまでも各相続人の協議の結果が一番優先されるのです。 

確かに、あまり分割案の検討がなされなかったのではないか、と思われる分割も見受けられます。しかし、 もしかしたら十分検討した結果某の理由で、そのような分割になったのかもしれないのです。

ですから、納税額が最小となる分割案でなかったとしても、それをもって、 税理士の力不足と言い切るのは誤りです。 

多くの相続人の方々は、「相続税を支払いたくない」というものの、 本当に望んでいることは、実は 「円満な相続」です。

特に女性は、そう考える方が多いですね。それは、相続で揉めるとはどのようなことなのか、 どこからか聞いていて、よくご存じのようです。

親族間のケンカというのは、本当に大変なのです。その揉め事のために、げっそり痩せたとか、 一気に白髪になったというようなことは、良く聞くことです。その心労の程は、想像以上のもののようです。

そのような揉め事がないように、事前に考えておくことは、有効です。

しかし、そういう準備がないままに相続を迎えてしまったならば、税金の事よりも、 円満な相続を優先して考える方が、体にも良いですし、家族間の関係にとっても良いのではないでしょうか。

いたずらに、相続で争うことは、大変な時間と費用と体力の浪費でしかないのかもしれません。 お金で解決がくつことは、さっさとお金で解決させたほうが良い場合もあるのです。

本来、お金とは、そのように使うものなのかもしれませんね。

 

本日も、ここまでお付き合い下さいまして、有り難うございます。
それでは、これにて・・・おやすみさない。

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2005年04月27日

養子縁組 2

こんばんは。税理士の葵東子です。本日は、また「養子縁組 2」について、 お話ししたいと思います。 お付き合い頂ければ幸いです。

養子縁組は、資産家などに良くあることであって、 相続税がかからないような家ではあまりないのではないかと思っていたのですが、実際はそうではありませんね。

子供のいない夫婦は、結構いるのです。
そのご夫婦に相続人がなく、二人とも死亡した場合には、そのご夫婦の財産はどうなるかといえば、国庫に帰属することになります。
正確に言えば、すぐに国庫に帰属するのではないのですが、ですが、だれも特別縁故者として申し出がない場合には、そうなってしまいます。

「私は相続人が居りませんから、私の財産は謹んで国家に献上致します」 とおっしゃっる方に私はまだお逢いしたことがありません。日本人は愛国心がないのか、はたまた私の交際範囲が狭いのか・・・。

税金を(国家に)取られる・・・と表現する方は多く(私も、思わずそういってしまうことは。。。。 やっぱりあります(^^;))、例え田舎の本当に安い家土地であっても、国庫帰属になりそうな場合は、 そうならないように養子縁組をするのが普通のようです。

相続人がいない当人より、周囲の親戚が放っておかない・・・という事情もあるようです。 国庫に帰属させてもよさそうなものですが、国家に取られるくらいなら・・・と思うようですね。取られる・・・ ですよ。(^^;) 言い方が、被害妄想的すぎではないでしょうか?

子供のいない家庭の養子になった方とお話ししたことがあります。


「いつ養子になったのでしょう?」と聞きましたら、「高校生の時」とのことでした。

「どうして?」とお伺いしましたところ、「両親に言われて」とのこと。

「嫌とは思いませんでしたか?」とお伺いしましたら、「仕方がないと思った」とのことでした。

そんな簡単に「仕方がない」と思って、養子になったりできるのでしょうか・・と思いました。また、ご両親も、 子供は犬猫ではないのですから、そんなに簡単に我が子を養子に出せるものでしょうか・・・。ちょっと冷たくはないでしょうか・・ 。
私なら、そんなことは出来ない・・
とも思いました。

ですが、それはそんな簡単な思いではなかったのです。以前には、彼の親戚のものが養子を迎えて、 家を存続させていたことがあったそうです。今度は、その養子を差し出した家系の方が、 相続人がいなくて困った状況になったのだそうです。彼にとっては、関係ないと言えばそうですが、彼のご両親にとっては、 「関係ない」とも言えなかったようです。
以前に、養子にきて貰ったのだから、今度は我が家系の方から養子を出す番なのだ・・・と説明されたそうです。

そう両親に説明されて、拒むことは出来なかったようです。

彼は、養子に行っても年に何度かは実家に帰っていたそうです。その時には、実父は、 養父母との関係について、「こういう態度は、いけない」とか、いろいろ注意を与えていたようです。やっぱり、実父母なのです。 養父母と上手く生活できるか心配であり、また上手く生活出来るように、細かなアドバイスをしてたようです。父母とは、そういうものですね。簡単に養子に出したのではなかったのです。私の考えが浅はかだったことを知りました。

養子にきた彼の奥様は、それはそれは美人の奥様でした。美人でしたが、そのイメージをぶっつぶすかのように、 明るい方でした。
よく、養子のお嫁さんになったものだ・・・と思いました。養子縁組の家族とは、かなり複雑な家族という感じがするではありませんか。よほど、 ご主人様に惚れたのでしょう・・・。確かに、彼はかなりハンサムでありました。

そのお嫁さんは、多少、気まずい雰囲気も気にしない、深く考えない・・・底抜けに明るい方で、 養父母を悪く言うこともなく、養子縁組でも上手くいくケースがあるんだなぁ〜と思いました。

しかし、ふと・・・・「子供を持ったことがない人というのは、やっぱり・・・ 子供を持ったことがない人なのですよ」と漏らしたんですよね。彼女が、いかにご主人(養子)にために耐えてきたのか・・・・・ ふとそれを察することが出来た瞬間でした。ただただ明るく脳天気・・・と思われたお嫁さんは、実はご主人をこよなく愛し、 そして養父母につつがなく仕える辛抱強い女性であったようです。

ここまでお付き合い下さいまして、有り難うございます。
それでは、本日はこれにて・・・おやすみさない。

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2005年04月26日

養子縁組

こんばんは。税理士の葵東子です。本日は、相続に関連するお話しとして「養子縁組」について、 お話ししたいと思います。お付き合い頂ければ幸いです。

養子縁組とは・・・どういうことか、皆様だいたいご存じですよね。
つまり「性」ではなくて・・・・・・、「姓」が変わることですよね。この養子縁組の法的効果はどのようなものかと言えば、 法定血族となることなのです。
つまり相続権を持つことになります。

婿養子とは、お嫁さんのご両親に頭が上がらないし、なんだかお嫁さんにまで頭が上がらないように思えて、婿養子は絶対いや!!・・・ と思う男性もいらっしゃるかと思います。ですが、「養子になって下さい」と言われることは、 「我家の正式な相続権を差し上げます」と言われていることなのです。お嫁さんのご実家がそれ相応の資産家であれば、 それは願ったり〜!ではないでしょうか?

ただ単に、資産家のお嬢様と結婚したとしても、それでは奥様の家の相続権を持つことにはなりません。 同じ結婚をするのであれば、養子縁組をして結婚をしたほうが相続権を得られるのですから、その方が良いと思いますが、 如何でしょうか?

更にです、養子縁組をしたからといって、実父母との関係は切れないのです。(特別養子縁組の場合は除く) つまり、実家と養子縁組先の家と、両方の相続権を持つことになります。「両手に花」といいますか、「両手に小判」といいますか・ ・・つまり両手なのです。

実際に財産を取得できるかどうかは、また別なんですけれど・・・ね。婿養子は結構良いのではないでしょうか?
というようなことを、会計事務所の職員である若い男性方の前でお話したことがあります。皆さん何故か目が輝いていましたし、 にこにこしていましたね〜。当てでもあるんでしょうか・・・と思いましたわ。

また、養子縁組をしましょうと、奥様のご両親からお誘いがあった時はですね、例えお断りするにしても、 丁重にお断りしましょう。それは、先にも書いたように、正式に我が家の子供として迎え入れましょう・・・という、 それ相応の覚悟をもってのお誘いなのです。
それを、むげに断ってしまっては、養子縁組の意味を知らないと思われても仕方がありません。

資産家は資産のことについて、様々な知識を持っています。養子を迎え入れることは、 相続税の節税にもなることも知っていますし、養子縁組の法的効果も良く知っています。
それをむげに断ったとした場合には、資産家のご両親は、娘と結婚する相手として、我が家の資産を守っていく者として、 あなたを認めないかもしれませんね。

いずれにせよ、配偶者のご実家とは慎重に対応して、仲良くしておいた方が良いのではないかと思います。

でも・・・婿養子が嫌で、嫌で悩んでいた方がいました。確かにそれは・・・と思われましたが、 「あなたは正式な法定相続人なのだから・・・」と励ましてしまいました。励ましましたが、何が幸せなのかは、 やはりご自身でお決めになることですよね。
励ましたことも、無責任だったかしら・・・と少し反省して居ります。でも、「離縁した方が良いのでは・・・」とも言えなかったのですよね。

ここまでお付き合い下さいまして、有り難うございます。
それでは、本日はこれにて・・・おやすみさないませ。

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